大学院生というものは、研究室で寝起きするくらいの勢いで
朝から晩まで実験三昧の日々を送るものだと思っていた。
実際、そうしている大学院生も多いと思うし
学部生の時はそういった院生を何人も見てきた。
けれど、小さな子供を抱えていては
朝から晩まで実験するのは無理だった。
子供がまだ赤ちゃんだったため
朝は職員の増える9時以降に保育園に連れて行くことになっていたし
帰りは5時には研究室を出ないと延長保育の料金がかかってしまう。
幸い、私がお世話になっていた研究室は理解があり
「赤ちゃん優先にしてあげて」と言ってもらえたので
平日は9時半から5時に研究室に行っていた。
ただ、それだけでは実験の時間が足りず
休日、夫に子供を頼んで数時間だけ実験したりもした。
赤ちゃんを預けてまでする勉強だろうかと悩んだりもしたが
深く思いをめぐらせている時間と心の余裕はなく日々は過ぎた。
ひたすら家と保育園と研究室を往復した。