結婚式の準備で何よりも私を悩ませたのは両親への挨拶だった。
父は「絶対に両親への言葉とかやるな」と言っていたが
やはり結婚式の締めとしても必要だろうということで
準備することにした。
今まで普通に仲の良い親子として過ごして来た親に
あらたまって感謝の言葉を言うというのは結構恥ずかしいもので
何をどんな表現で言えば良いのか見当もつかない。
夫は「オレは最後に挨拶するし」と他人事を決め込んで
一緒に考える気配はないし、ここは自力で何とかしなくては、と
「結婚式でのスピーチ」の本を1冊購入した。
色々な立場でのスピーチの例が載っている本で
花嫁の両親への手紙の例文もいくつかあったので
表現をパクってやろうと思ったのだ。
だけど、私たち親子の関係にぴったりくるものも
私が両親に伝えたいことが込められているものも無く
何度も本をひっくり返して読んで悩んだ挙句
結局は自分の言葉で伝えるしかないという結論に至った。
私は結婚して苗字が変わっても両親と親子であることは
今まで通り変わりないと思っていたので、そんな感じの内容にした。
夫の両親には「これからよろしくお願いします」といった
内容にしたと思う。
それぞれの両親への手紙を、
持っていた中で一番きれいで気に入っていた便箋に書きしたため
封筒に入れることができたのは結婚式の前日だった。
ブライダルブック